【イベルメクチンを飲む前に】コロナに役立つ正しい飲み方と安全性
新型コロナウイルスに関する記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず一次情報として厚生労働省や首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている最新情報や相談窓口の情報をご確認ください。
またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。
「新型コロナウイルス感染症に効くかも!?」と2021年夏に大きな話題となったイベルメクチン。
テレビやネットニュースで頻繁に登場しただけでなく、厚生労働省も治療薬候補のひとつとして取り上げています。
丸1年が経った今では、国内での研究においてオミクロン株への有効性が確認されており、新型コロナウイルス感染症治療薬としての可能性が拡大しています。
しかし、コロナへの有効性は確認されていながらも、効果や安全性については不確かな部分が多いのも事実。
とくに妊婦さん・小さなお子さんなどは、コロナ対策のつもりがかえって体に害を与える可能性が!
また健康な成人であっても、飲み方や用量次第ではリスクが大きくなってしまいます。
イベルメクチンを飲む時に注意したいのが、飲む目的、飲む量、回数。
イベルメクチンでのコロナ対策を始める前に、今わかっている安心・安全な飲み方をチェックしておきましょう。
【感染予防】感染の恐れがある人は週に1回服用
用量 | 体重1kgあたり0.2mg (例:体重50kg/10mg、体重60kg/12mg) |
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タイミング | 食前または食後 |
服用回数 | 1度服用し、48時間後にもう一度同じ量を服用する その後は週に一度のペースで服用を続ける |
医療従事者や感染リスクが高い生活をしている人、ワクチン接種までの期間を安全に過ごしたい人は、2度目の服用以降は週に1度の頻度で服用を続けます。
感染リスクの高い地域に暮らしている場合には、週に2回服用します。
【注意!】
イベルメクチンは本来、体内に入り込んだ寄生虫を駆除する薬。
通常は1回または2回の服用で、治療が終了します。
継続的に服用した時の危険性・安全性については、ハッキリとわかっていません。
【発症予防】濃厚接触者になったら2回服用して経過観察
用量 | 体重1kgあたり0.2mg (例:体重50kg/10mg、体重60kg/12mg) |
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タイミング | 食前または食後 |
服用回数 | 1度服用し、48時間後にもう一度同じ量を服用する |
家族に感染者が出た場合、またはマスクを着用せずに感染者と長時間接した場合の予防では、2度の服用で終了します。
予防効果を確実にするために!栄養素をプラスα
イベルメクチンの臨床試験では、サプリメントも併用されていました。
- ビタミンD3(1日あたり1,000~3,000IU)
- ビタミンC(500~1,000mgを1日2回)
- ケルセチン(1日あたり250 mg)
- 亜鉛(1日あたり30~40mg)
- メラトニン(就寝前に6mg)
これらの成分は、呼吸器感染症の予防・抗酸化作用・安定した睡眠などを目的に投与されており、基本的な免疫力を高めるという点で非常に重要な栄養素です。
つまり、普段から栄養バランスのよい食事や規則正しい生活を心掛けておくことも、感染の予防にとっては非常に重要です。
【イベルメクチンを服用できない場合】
ニゲラ・サティバ(ブラッククミン)を摂取します。
用量:体重1kgあたり40mg
回数:1日1回、毎日
イベルメクチンが服用できない際に、代替薬として摂取。また、イベルメクチンの効果を高めるために必要だと判断された場合には併用が可能です。
【早期治療】感染がわかったらすぐに服用開始を
用量 | 体重1kgあたり0.4~0.6mg (例:体重50kg/20~30mg、体重60kg/24~36mg) |
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タイミング | 食前または食後 |
服用回数 | 1日1回 5日間、または回復するまで服用を続ける |
上限量を服用すべき人 | 1.侵襲性の高い変異株が存在する地域に暮らしている 2.症状が現れてから5日目以降、または肺炎が起こってから治療を開始した 3.多数の合併症や危険因子がある |
新型コロナウイルスの感染がわかったら、すぐに服用を開始します。
イベルメクチンの服用は、ウイルスを減らすことが目的。
早めに飲み始めることで治癒を早め、重症化の予防を可能にします。
【注意!】
「イベルメクチンを毎日飲む」という方法は、コロナ治療の治験で初めて試されています。
連日服用による新型コロナウイルスの減少効果は認められていますが、危険性については明らかにされていません。
薬・サプリを併用して治癒効果を高めましょう
イベルメクチンを用いた初期治療では、併せて摂取した方がいい医薬品・サプリメントがあります。
1.抗ウイルス作用【うがい薬】
クロルヘキシジン、ポビドンヨード、または塩化セチルピリジニウムを含むうがい薬を使って、1日3回のうがいを行ないます。
また1日2~3回、 1%ポビドンヨードを点鼻します。
※1%が入手できない場合には、10%を薄めて使っても構いません。その場合は、4時間ごとに4~5滴を点鼻します。
※妊娠中の人は、使用について医師へご確認ください。
2.血栓症予防【アスピリン】
新型コロナにかかると血栓症のリスクが高まるため、血液サラサラに保つ必要があります。
抗凝固薬として、アスピリンを1日あたり325mgを服用してください。
ただしアスピリンは、アレルギー反応が出やすい成分。既往歴がある人は服用してはいけません。
3.免疫力UP【ビタミンD】
1日あたり5,000IUを摂取します。
ビタミンサプリの代わりに、カルシトリオールでも代用可能です。
1日目に0.5mcg服用し、2日目から7日間は0.25mcgを毎日服用してください。
4.ぐっすり眠るため【メラトニン】
就寝前に10mgを摂取します。
発熱や咳などの身体症状や病気に対する不安などで寝つけない…という不眠症状を予防・改善。
またメラトニンには、抗炎症・抗酸化・抗ウイルス作用が期待されています。
5.抗炎症・降圧作用の補助【ケルセチン】
250mgを1日2回摂取してください。
ケルセチンは抗酸化・抗炎症・降圧・脂質低下など、さまざまな健康作用が認められており、新型コロナの治療を補助します。
6.ミネラル補給【亜鉛】
1日あたり100mgを摂取してください。
亜鉛は、免疫機能の維持や体の成長などに必要なミネラルのひとつ。人体の中で作りだすことができないため、動物性食品やサプリメント摂取を心掛けましょう。
7.抗酸化作用による免疫強化【ビタミンC】
500~1,000mgを1日2回摂取します。
ビタミンCが不足すると、筋肉量の減少・心臓障害・呼吸困難・貧血などのリスクが高まります。
病気と闘う体にとってビタミンCは重要な栄養素。しかし体内では作り出すことができないので、サプリメントでの補充が必要です。
8.血栓症対策の補助【クルクミン】
500mgを1日2回摂取してください。
血液をサラサラにする働きにより、降圧作用を補助します。
9.イベルメクチンの代替薬にも【ニゲラ・サティバ】
体重1kgあたり80mgを毎日摂取します。
10.風邪症状の緩和【蜂蜜】
体重1kgあたり1gを毎日摂取します。
蜂蜜は、風邪の予防や疲労緩和、喉の殺菌など、さまざまな健康補助作用が認められています。
イベルメクチンを備えたい。何錠あると安心?
イベルメクチンを備えておく場合には、最低でも7回分を用意しておくと安心です。
- 濃厚接触者になった際の発症予防=2回分
- 発症してしまった場合の治療=5回分
イベルメクチンの服用量は体重1kgあたり×0.2~0.4mgが目安。
しかし調剤施設でもない限り、厳密に調整することは困難です。
国内で処方される際の服用目安によると、用量は多少前後しても構わないことがわかります。
体重(kg):3mg錠数
- 15-24kg:1錠
- 25-35kg:2錠
- 36-50kg:3錠
- 51-65kg:4錠
- 66-79kg:5錠
- 80kg以上:約200mg/kg
(引用元|KEGG|医療用医薬品ストロメクトール)
体重50kgの場合
体重50kgの人が予防に用いる場合、1回あたりの服用量を厳密に計ると0.2mg×50kg=10mg。
3mg錠であれば3錠が目安とされています。
治療の場合は、0.4mg×50kg=20mg。
予防服用の倍量なので、3mg6錠が目安です。
1回あたり | 7回分 | ||
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予防 | 治療 | 予防+治療 | |
3mg錠の場合 | 3錠 | 6錠 | 63錠 |
6mg錠の場合 | 1.5錠 | 3錠 | 31.5錠 |
12mg錠の場合 | 4分の3錠 | 1.5錠 | 10.5錠 |
体重が少ない人は、用量を調整しやすい3mg錠を多めに購入しておくと使いやすいですね。
体重60kgの場合
60kgの場合、予防1回あたりの服用量は0.2mg×60kg=12mg。
3mg錠であれば4錠が目安です。
治療の場合は、0.4mg×60kg=24mg。
予防服用の倍量なので、3mg8錠が目安です。
1回あたり | 7回分 | |
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3mg錠の場合 | 8錠 | 56錠 |
6mg錠の場合 | 4錠 | 28錠 |
12mg錠の場合 | 2錠 | 14錠 |
体重が60kg前後の人は、12mgを購入しておくと服用する際に数えやすく飲みやすいようです。
体重70kgの場合
70kgの場合、予防1回あたりの服用量は0.2mg×70kg=14mg。
3mg錠であれば5錠が目安です。
治療の場合は、0.4mg×70kg=28mg。
予防服用の倍量なので、3mg9~10錠ないし6mg5錠が目安です。
1回あたり | 7回分 | |
---|---|---|
3mg錠の場合 | 10錠 | 70錠 |
6mg錠の場合 | 5錠 | 35錠 |
12mg錠の場合 | 2錠+2分の1錠 | 17錠+2分の1錠 |
3mgは細かな調整をしやすいという利点がありますが、1回あたりに飲む錠数が多くなるというデメリットも。
12mg錠、6mg錠、3mg錠を併せて用意すると服用時の負担を少し減らせます。
【例】
1回あたり/12mg 2錠 + 6mg 1錠 = 合計3錠
飲む際には、成分量を間違えないよう気をつけましょう。
【安全ではないかも】体の小さな子どもは服用しないで
処方薬として用いられているイベルメクチンには、目立った危険性やリスクはありません。
比較的安全性の高い医薬品として扱われています。
しかしコロナ治療においては別問題。
一定の効果は確認されているものの、確実に安心・安全とは言い切れないのが現状です。
【注意!】
- ・体重15kg以下の子供に対する安全性は確認されていない
- ・妊娠中または妊娠の可能性がある人は、医師の判断が必要
イベルメクチンは体重ごとに飲む量を調整しますが、体重が少なすぎる子どもの場合はリスクが高まってしまいます。
また妊娠中の女性に対しても、イベルメクチンが胎児にどんな影響を与えるかはわかっていません。
危険性や安全性が明らかになっていないからこそ、どれだけ慎重になってもなり過ぎということはないのです。
ベネフィット(コロナに対する効果)とリスク(体に与える影響)を十分に考慮して、服用を決める必要があります。
参考資料
- FLCCC|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防および早期の外来患者治療に関するプロトコル
- KEGGデータベース|医療用医薬品 : ストロメクトール
- CovidAnalysis|COVID-19のためのイベルメクチン:63の研究のリアルタイムメタ分析