アジスドライシロップ

効果・効能

アジスドライシロップは、細菌によるさまざまな感染症に有効な抗生物質です。
有効成分にはジスロマックと同じアジスロマイシンを配合しているため、ジスロマックと同じ有効性や安全性が保証されています。

細菌を死滅させる抗菌作用や、症状に繋がる炎症を抑制する抗炎症作用によって感染症を治療します。

【適応症】
深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎（扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む）、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頸管炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎

抗菌作用

細菌が体内に入ると分裂・増殖を繰り返して細菌を増やし、症状の発現・悪化が起こります。
分裂・増殖にはリボソームという器官でタンパク質を合成する必要があります。

アジスドライシロップは、リボソームの働きを阻害。
細菌に分裂・増殖を抑制すること（抗菌作用）で感染症を治療します。

抗炎症作用

通常、抗生物質には抗菌作用しかありません。
しかし、アジスロマイシンを含むマクロライド系抗生物質には抗炎症作用もあります。

細菌が体内に入ると、細菌を排除しようと免疫反応が起こります。その際に炎症が起こり、体の一部が熱を持ったり腫れたりします。

アジスドライシロップは、炎症を引き起こす好中球の炎症部位への集中を抑えることで炎症を抑制し、症状を緩和するのです。

用法・用量

適量を1日1回服用します。
クラミジアや淋病などの治療は単回服用ですが、その他の治療においては数日間の服用が必要です。
服用は、食後2時間以上経過した空腹時に行い、服用後は2時間以上食事を控えましょう。

【疾患別服用量】
・クラミジア、淋病、軟性下疳
25mlを1回服用します。

・HIV感染患者におけるMAC症予防
30mlを1週間に1回服用します。

・HIV感染患者におけるDMAC感染症
15mlを1日1回服用します。

・上記以外の適応症
12.5mlを1日1回、3日間服用します。

※タイでの用法用量です。詳しい用法用量は医師に相談してください。
※本剤は5mlあたりアジスロマイシンを200mg配合しています。

副作用

臨床試験における副作用の発現率は28.1％です。
おもな副作用として、下痢（16.4％）、悪心（4.0％）、腹痛（3.1％）、頭痛（1.6％）、腹部膨満（0.9％）が確認されています。

服用後は意識障害が現れることもあるため、自転車の運転や機械の操縦など危険を伴う行為は避けてください。

注意すべき副作用

重大な副作用としてアナフィラキシーや中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などが報告されています。
初期症状として次の症状が見られる場合があり、症状が現れた場合は早急に医療機関を受診してください。

• アナフィラキシー：呼吸困難、喘鳴、血管浮腫など
• 中毒性表皮壊死融解症：全身の赤み、水ぶくれ、皮膚剥離など
• 皮膚粘膜眼症候群：38℃以上の高熱、眼の充血、目やに、口内炎など

中毒性表皮壊死融解症や皮膚粘膜眼症候群は、本剤の服用から1週間以内に現れるため、服用後も注意が必要です。

禁忌・注意

次にあてはまる人は、症状の悪化や他の症状を誘発する恐れがあるため、アジスドライシロップを服用する前にかかりつけ医に相談してください。

• マクロライド系またはケトライド系薬剤にアレルギーのある人
• 高度な肝機能障害のある人
• 心疾患のある人
• 遺伝性フルクトース不耐症、グルコース・ガラクトース吸収不全症またはスクラーゼ・イソマルターゼ欠損症の人

また、次の医薬品とアジスドライシロップを併用すると効果の増強や減弱、副作用が現れやすくなる可能性があります。
併用は医師に指示に従って行いましょう。

• マクロライド系またはケトライド系薬剤にアレルギーのある人
• ワルファリン
• シクロスプリン
• メシル酸ネルフィナビル
• ジゴキシン
• ベネクトクラクス

妊娠中または授乳中の女性の服用における注意点

妊娠中における服用の安全性はまだ確立されていません。
妊娠中または妊娠している可能性のある女性が服用する際は、治療によるベネフィットがデメリットを上回る場合にのみ行いましょう。

授乳婦が服用した際、母乳への移行が報告されています。
乳児への影響を考慮し、アジスドライシロップを服用する際は授乳を中止してください。

参考サイト

本商品の詳細は、海外メーカーの商品情報の翻訳および以下のサイトを参考に編集しています。

• KEGGデータベース「ジスロマック」
• フリー百科事典 ウィキペディア「アジスロマイシン」